濫觴塾

【濫觴】らん‐しょう〔‐シヤウ〕 《揚子江のような大河も源は觴(さかずき)を濫(うか)べるほどの細流にすぎないという「荀子」子道にみえる孔子の言葉から》物事の起こり。始まり。起源。

児童の学力向上のために意識改革を!!

 今年度の4月に実施された小6生対象の文科省「全国学力・学習状況調査」の結果が9月末に発表された。震災に見舞われた熊本県を除く46都道府県中、本県は41位であった。詳しい内訳は、国語A 33位、国語B42位、算数A 40位、算数B 41位である。この数字は東北6県で最下位(秋田2位・青森6位・岩手16位・福島30位・山形34)になる。本県の人口は2015年の統計で232万人、その凡そ半分の108万人が政令指定都市に住んでいる。政令指定都市の人口順位では、11位。いったいどうしてこんな数字が出てきてしまったのだろうか。我が国の児童・生徒の学力向上の必要性が叫はれて久しいが、本県が全国学力・学習状況調査で40位を下回った記憶は私にはない。公立高校の入試制度の瑕疵についてはこれま何度か述べてきたが、もしかすると、その影響が小学校の学習面にも反映されてしまうのではではないかと疑いたくなるような結果だった。小学校高学年の学習範囲は、中学校で履修する範囲とほとんどが重複し、難易度も決して低くはない。しかし、小学校で実施される到達度確認テストは、教科書の内容をきちんと反映したレベルにはなっていない。当塾で実施している公立小学校版学力テストと比べると平均で10点以上の差がある。小学校の時はよく勉強ができていたのに中学校に入ると難しくて点数が取れなくなってしまったお子さんをあわてて通塾させる保護者の方々は決して少なくはないと思う。小学校で学ぶべきことは、たとえ難易度が高くてもしっかりと教わっておかなければならない。当塾が開塾して30余年が過ぎるが、その間小学校高学年の理科の物理・化学・地学に関する分野はほとんどビデオ教材や自習プリントによる授業である。児童の学力を問う以前に指導方法を早急に改善していく必要もある。そして、何よりご自分のお子様が学習不足であるかもしれないという意識をご父母の皆さまに持っていただくことが不可欠なように私は思う。

 以下に首都圏の平均的な私立中学校(決して上位校ではない)の算数の受験対策問題(小学5年生履修)を掲載した。参考にしていただければ幸いである。

割合に関する問題(売買)

例題 鉛筆を何本か仕入れ、仕入れ値の3割のもうけを見込んで定価をつけたところ、全体の4割が定価で売れました。売れ残った鉛筆を定価の2割引にしたところ全部の鉛筆が売りきれ、全体のもうけは4320円になりました。仕入れ値の総額はいくらになるでしょうか。

解答 仕入れ値の総額を1とします。

   定価で売れた金額は ( 1 + 0.3 ) ×0.4 = 0.52

       定価の2割引で売ったときの金額は 

 ( 1 + 0.3 ) × ( 1 0.2 ) × ( 1 0.4 ) = 0.624

      全部の売上金額は 0.52 + 0.642 = 1.144  だから、もうけは 1.144 1 = 0.144

   これが4320円だから 1 : 0.144 = : 4320   0.144 × = 1 × 4320

      =  4320 ÷ 0.144 = 30000                                                  答 30000

中学生の学力低下に考える(2)・・・

今年度の8月の新みやぎ模試は平均点が242点で、久しぶりにまずまずの難易度を確保できる設問内容となったと前回のべたところだったが、9265点、10269点とまたもや昨年度と同様易しい作問が飛び出すようになってきた。11月も正直実力を計るには物足りない内容であった。前回私は、公立校トップ3校の合格ラインを、仙台第二・・・評定値4.3 偏差値64後期選抜410 仙台第一・・・評定値4.4 偏差値64後期選抜410点 仙台第三()・・・評定値4.3偏差値62 後期選抜390点 と推定されると述べた。東大・京大・医学部を目指す最上位層が仙台第二に集中していることを除けばこの3校は合格ラインの平準化が進んでしまっている。また、各学校内での生徒たちの学力差が三層に分かれ始めているのではないかと感じている。

さて、最上位校の平準化が進む中、その流れとは逆に入学生の学力が年々向上している2校を挙げてみたい。1校目は、仙台三桜高校である。まずは、合格ラインから紹介しよう。合格者中の評定平均値の最低ライン3.4 同後期選抜316 で、ボーダーラインは3.6 320点、安全圏は3.7 330点である。ここで、特筆すべきは偏差値56以上の国立受験可能層が7080名いることである。また、67 66での入学者も存在する。昨年までは、評定値が4.0より下の生徒は高得点を取らないと合格はなかなか難しかったのだが、今年度は330点以上取れば評定値が3.6 3.7でも十分に合格できるようになった。すなわち、調査書重視から学力重視へと大きく舵を切ったと私は考える。昨年度、M校長先生が三桜高校に赴任されてからの生徒の学力の向上が目覚ましい。三年ほど前から同校の国立大学への進学者数は増加傾向にはあった(H25年度33名 H26年度26)が、今年度卒業生は51名と倍増した。その内訳も東北大1 北海道大1 横浜国立大1 東京学芸大1 宮城教育大7 と難易度の高い大学への進学者の増加が目を引く。また、私立でも青山学院大学1 法政大学1と難関校への進学者も出ている。数年前までは、宮城教育大への進学者もなかなか出ないという状況だったことを考えれば大躍進である。

もう1校は、仙台東高校()で、評定平均値の最低ラインは3.1 同後期選抜295点である。合格圏は3.2 320点、安全圏は3.3 330点とみる。この後期選抜の得点は仙台三桜高校とほぼ同じである。年々受験生の学力が向上していると同校のある先生がお話ししてくださった。前期選抜の志願要件の評定平均値は4.0で、仙台二華4.5・仙台向山4.3・仙台南4.4(新みやぎ模試の合格偏差値は三校ともに59) 仙台三桜4.3 (同合格偏差値54)であるのに比べればかなり要件は緩和される。また、後期選抜の評定値:入試得点の比率が3:7で学力重視のため、高い評定値を要求されて上位校を受験できない中学生(特に男子生徒)にも十分にチャレンジできる学校である。さらに、同校が通学テリトリーとなる、長町駅周辺にはマンションが立ち並び、同地域の中学校に学力の高い生徒が入学するようになった。通学時間も自転車で15分程度と交通の利便性が良くないと敬遠されていた数年前とは状況は変わりつつある。10月の公開授業を見学に行った折、若くて才能のある(近い将来県内トップ校に赴任されるだろうと思われる)先生方が多々おられることに感心した。生徒たちの授業風景も上位校の生徒たちより、活発であるように感じられた。今年度の国立大学への進学者数は15(推薦6一般9)とまだまだ物足りないが、偏差値56以上の生徒数は30余名を数え、この上位層に充実した指導がなされれば(成績上位者にスタディサプリの受講を勧めているとのこと)、20~30名の現役国立大学合格者を出す日もそう遠くはないと私は思っている。

中学生の学力低下に考える

今年度の8月の新みやぎ模試は平均点が242点で、久しぶりにまずまずの難易度を確保できる設問内容となった。昨年度は平均点が270点以上の月が多く、生徒の本当の実力がはかれないのではないかという懸念が大いにあった。設問の内容にはまだだいぶ疑問符が付くところも多いが、とりあえず、数学・英語・社会の難易度は確保されていた。そこで、公立トップの仙台第二・仙台第一・仙台第三()を第一志望とする現中学三年生をチェックしてみた。8月の模試の受験者は8月末時点でおおよそ8400名である。まず県内トップ校である、仙台二高を第一志望とする生徒さんを見てみた。志望受験者数は400名弱でそのうち合格ラインである偏差値68以上の生徒さんは230名強である。仙台第一はというと、第一志望者360名超、合格ラインの偏差値66以上170名弱、仙台第三(普)第一志望330名超、合格ライン偏差値63以上170名半ば、である。予想通り、この3年間の公立高校後期選抜試験の難易度が易化し、上位校でさえも調査書入試のような様相を呈してきたつけがこんなところに現れているのではないだろうか。

そこで、今H28年度の後期入試の上記3校のボーダーラインを調べることにした。仙台第二・・・志願倍率1.21倍。なんと偏差値64での合格確率は70%を超えていた。63以下でも合格者が存在、得点の合格ラインは410点くらいで、評定平均値は4.3がボーダーライン、それ以下の生徒はかなり難しい。後期選抜の平均点が280点を超えていることを考えれば、かなり合格ラインは低い。倍率1.21倍も影響しているかもしれない。仙台第一・・・志願倍率1.51倍。偏差値63で合格確率は50%強、65,6470%弱、ただし、合格ラインの66以上の生徒さんもかなりの人数が不合格となっている。驚くべきは58で合格者が出ていることである。得点の合格ラインは410点くらい、例年をみるとこちらの採点基準は仙台第二より厳しい。評定平均値は4.3だが、4.3はボーダーで4.4以上は必要でばないか。倍率1.51も影響しているだろうが、学力との強い相関は見られないように感じた。東大・京大・医学部レベルの成績上位層は仙台第二が70名弱、仙台第一は20名強である。仙台第三・・・志願倍率1.70倍。高倍率のために、偏差値の合否判定が機能していない。偏差値6468%6375%6285%6161%。最低の偏差値は56だが、ボーダーは5947%の合格率である。得点の合格ラインも実のところ判断しにくい。最低ラインは380点くらいかと推測されるが、380点以上得点しているものが不合格の例もある。ちょっと気になったのは、偏差値・評定平均値がともに高いのに前後期ともに不合格になった生徒が複数みられたことである。当校は小論文検査を採用しているので考えにくいが、人物評価が入っているのだろうか。一例をあげると、評定値が4.6以上で得点も390点弱の生徒さんが不合格になっている。    

さて、現状を見ればどの公立上位校にも学力不足で教科内容についていけない生徒がかなりの割合で存在している。その原因は小中学校にあることは否めないが、塾・予備校などの民間教育機関も大いに反省すべき点が多々あると言わざるを得ない。この3年間、後期選抜試験の難易度が極端に下がり、県下の中学生の3分の2が受験する新みやぎ模試の平均点が275点前後と定期テスト並みになったことに安んじて、本来到達すべき範疇・水準の学習指導を怠ってきたとは言えまいか。私たち塾人は、襟を正して、生徒指導に全力を傾注していかなければならないと考える。

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