本県の前期選抜試験に思う!!

 
本日2/9は本県の前期選抜試験の合格発表の日である。入試選抜に関わった県内の公立高校のすべての先生方には本当にご苦労様と心から労をねぎらいたい心境である。そう書けば皮肉に聞こえる方もおられるだろうが、これだけ易しい問題ばかりでは、どのようにして受検者の学力を見極め、選抜していけるのかと思うからである。昨年度、英語がようやく2020年度から始まる大学入試に呼応したものになり、今年は、数学・国語もと大いに期待していたところであったが、その英語の中身がこれほどお粗末なものに戻ってしまうとは思いもよらなかった。(本県の教育長は英語の教鞭をとっていた方だと聞いていたが、この問題を見られてどのようにお思いになったのだろうか?)偏差値70以上の生徒であれば20分もあれば終了してしまうほど易しい。偏差値が55以上の生徒であれば軽く90点以上は取れたと予想される。いわゆるナンバースクールを受験した生徒たちは100点取らないと恥ずかしいと感じたのではないだろうか? (私はこの英語のすべての問題を13分で解き終えた。) 数学も、同様である。難易度の高い設問第33(1)(2)43(1)(2)を除く(合計で19)すべての問題を解いた時点で7分だった。この4問も超難問といえるほどのものでもなく、残り時間がたっぷりあれば4問中3問は解ける内容だった。

本県の教育委員会の児童・生徒の教育に関わる姿勢には疑問を感じざるを得ない。子供たちには、小学・中学・高校を通してその履修する内容をきちんと学習する権利がある。そして、私たち教育に携わる者には、日々たゆまず学習に励むことによって学習内容を習得し、将来の自分を形成する礎を築くのだということを子供たちに伝えていくという大変重い使命があるはずである。このような、努力を重ねなくても得点できる、低きに流れた出題をすることが、(今後、多くの若者が貧困と隣合わせの状況に直面する厳しい時代を迎えようとしているこの日本社会において)彼らにとってどんなプラスがあるというのだろうか。子供たちの未来を拓くのは、勉強を通してであり、それ以外にはありえない。そうでなければ小1~高3までの12年間もの長期間勉強をし続ける教育制度など必要ないはずである。(余談だが、中学校のある部活で、冬休みからほぼ2週間おきに、大会を開いているものがある。冬休み明けの実力テストの前週に高校の冠杯、1月中に区大会、2月の定期テストの前週の土日に市大会、定期テスト明けに県大会、勝ち進めば東北大会まで待ち受けている。この中学校は、2/89に二学期期末考査を行っている。どうしてこんなに早い時期に、1・2年生の試験を実施するのかも疑問符がつく。二学期も後半を迎え、学習の難易度が上がっていく大事な時期に、ほとんどの土日を練習や対外試合に追われる生徒たちは、どのようにして学習時間を確保できるのだろうか。)

センター試験の結果から今年度の本県の高校三年生の学力低下が目を覆わんばかりであると、前掲の「大きな転換期を迎える高校入試!!」で述べたばかりである。教育委員会各位は学習指導の在り方、入試問題への取り組み、入試制度(前期・後期選抜)の見直し等、停滞している現状を猛省し即座に改革へと舵を取っていただきたいと心から願うものである。