本県の入試制度は、前期選抜・後期選抜という全国的には、すでに廃止・変更されている制度である。
   内申書が絶対評価になって以来、公立普通高校合格者の男女比が女子に傾く傾向は実施当初から存在
   してはいたが、この制度になって4年がたった今その開きはますます顕著になってきている。
      まずは、以下の表をご覧いただきたい。
学校名前期選抜前期選抜後期選抜後期選抜前期合格率後期合格率合格者
受験者数 合格者受験者数 合格者 (百分率) (百分率)
  男  
S1校265180313323015515410211.718.367.465.8186135
S2K校6585352771266983.360.396.397.231104
S3校71270844221726170066.161.978.326254
SM校(普)41791632806560523940.575806884
SM校(理)61161016320410090.9125133264
SMI校5412029551931511118552.745.857.556.3140140
SH校普34692844128113917782.463.871.169.4119121
SH校英210210113182010010072.764.51030
SN校298723611421369410279.370.166.275117163
区小計44474114033297394259068131.544.860.672.37301013
               
S2校12712256401631061408544.132.885.980.2196125
S3校普17512947251811031086026.919.459.758.315585
S3校理521129360743555.827.371.771.4728
M1校普7152258471892411628.638.251.161.426168
M1校理52552521201634100100801702159
IZ校普25901359193120104645265.653.35077111
IZ校英1130412133361836.44046.254.51030
IZT校148512721491321078985.784.771.867.4119161
MG校普1444725878866625056.875.970.57387
MG校総7235193730302671.482.681.186.73549
S校5292265817813610393506357.790.3129161
区小計489803206323112996474765242.140.257.867.6953975
       この表から明らかなように前期選抜(受験資格に調査書の評定値基準が指定されており、基準値に達し
    ない生徒には受験資格がない)を受験する生徒の男女比が上区40:60、下区 38:62で女子が圧倒的
    に多い。合格者の比もひどい。上区30:70、下区39:61である。後期選抜で下区はかなり挽回したが、
    上区は283人も女子生徒が多い。
       それでは、この県では男子生徒よりも女子生徒の学力が勝っているのかというと決してそうとはいえない。
    高校入学後の女子生徒の成績は決して芳しいわけではない。県を代表する男子進学校として長年、全国
    に名を馳せていたS1校は、今年東大・京大・東北大医学部の現役合格者がゼロになった。(地元の教育大
    学への受験者は年々増加し、今年は二桁の合格者を出した。男子校であったとき、この大学を受験する男
    子生徒はごく少数であった。)また、昨年度の東北大学現役合格者数は文系が理系を上回り今年も医学部
    保健学科を除けばほぼ同数である。学区制が敷かれた後県内で唯一全国区の進学校として気を吐いて
    いるS2校でさえも、男女共学制が実施されたのち下位層には女子生徒がずらりと並んでており、昨年度
    の入学者は当初から70名が数学・英語の補習授業を受けているという現実がある。他の公立普通高校も、
    旧女子校を除けば状況は似たり寄ったりである。入学後、当該校の履修内容に対応しきれないことを自分
    自身で自覚しながら在籍することは当人たちにとって幸せな選択肢だったと言いきれるだろうか。                         
      絶対評価の可否を今更問うても何も益はないだろう。しかし、現在の入試制度が生徒の学力の実態を反
    映しているとはとうてい言えないのではないか、と考えるのは私だけだろうか。早期の改善を期待したい。