本県の今年度の後期選抜において、いわゆるナンバースクールを受験して涙をのんだ生徒さんは、S(男子23女子21) S(男子76女子53) S()(男子73女子43)S()(17女子2)である。入試倍率が1倍を超えるのだから不合格者を出すのは当然で仕方のないことだと言ってしまえばその通りである。しかし、以前にも述べたように、本県の後期選抜の平均点はH25年度 281.9点 H26年度307.6点 H27年度283点と、まるで定期考査の平均点かと思わせるほど作問が平易に過ぎるのである。このような試験を実施すれば、畢竟調査書が大きくものを言ってしまう。相対的に男子の調査書は女子に比べて低いのは周知のことである。そして、そのことは男子生徒にとっては大きなハンディになると思われる。絶対評価による調査書の評価は、極論すれば、実際の学力とはまったく相関関係にないといって良いのではないだろうか。本県最大の受験者を抱える業者テスト(8)で昨年度受験した某中学校の男子生徒の例を挙げてみよう。平均偏差値70、全県で8回中7 50番以内に入った生徒の調査書が4.3、平均偏差値60の生徒が4.0、校内約120人中30番前後をキープして平均偏差値54の生徒が3.2。     

さて、現状を見れば、どの公立上位校をとってみても学力不足で教科内容についていけない生徒がかなりの割合で存在することは疑いのない事実である。しかし、その傾向はこの制度が実施されるようになってどんどん拡大しているように見える。今年度SSS高に合格できなかった男子生徒の合計は189(女子119)。このままこの前期・後期選抜の制度を継続していけば同一高校内での生徒間の学力差は開いていくばかりではないだろうか。(この状況は、トップ校のみならず、どの高校(とりわけ普通高校)にも当てはまるのではないかと私は思う。カリキュラムについていけない生徒たちの高校生活は充実したものと呼べるのだろうか?)

私学に目を移してみよう。数年来、大学合格実績を伸ばし続け、今年度ついに私立高校県下NO.1の地位を築いたSUG高はT1 T2コースにS高受験の男女生徒が合計で60余名入学した。H27年度卒業生の進路を拝見してみると、東大1大阪大1東北大10(1)早大5慶大4をはじめとして 国公立大46東京六大学21等、堂々たる結果を残された。トップ校に進学された生徒さんの内訳は高入生がかなりの割合を占めているということである。開校以来東北NO.1の地位を100余年にわたって守り続けてきたS高は、今年東大・京大・東北大医の現役合格生ゼロという結果に終わった。県下のトップクラスの生徒を集めているはずのS高は、今年度の入学生にも昨年と同様、当初から講習が必要な状態だと聞く。過去にこのような事態を招いたことは一度もなかったと記憶している。来年度は、男子私立校の雄TG校が中等部に6年一貫教育の特別選抜クラス、高等部に定員に制限を設けずに特別進学クラスを創設する。TG校は、ここのところ特に中等部の学力低下が見受けられたが、この改革で一気に名門復活を期すということだと思う。SⅡ、SS高受験者から多数の入学者を迎えるこの高校に学習環境が整えば県下有数の進学校になる潜在能力は十分だと考える。

昨今の中学生の学習時間の少なさと学力低下には目を覆わんばかりのものがある。先日文科省大臣が、ゆとり終焉宣言をしたばかりであるが、本県の中学校は学習より、学校行事や部活動ばかりに力が入っているように見えるのは私ばかりであろうか? 中学校各位には2020年から始まる大学入試改革に対応しうる実質的な学習指導環境の整備を早急にお願いしたい。